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たった一週間だけの田舎暮らし体験 ―モノは無いけれど、人の優しさに恵まれたとある一日―

日常 旅行記

田舎の朝は早いです。朝の6時にはぱっちりお目々が冴えてしまいます。……というより、夜にすることがないので自然と朝早く目が覚めてしまうだけなんですけどね。10時就寝、6時起床のなんとも健康的な生活です。

 

私が田舎に滞在する間お手伝いすることになっている農業のお仕事は朝9時からスタートだということで、仕事に行くまではたっぷり時間があります。

 

 

まずはお外の天気を確認して、滞在しているペンションの窓からの景色をボーっと眺めます。緑です。緑一色の景色です。そして鳥の鳴き声が聞こえます。

 

そんな生産性のない時間を過ごしたあと、物理的にも精神的にも重たい身体をようやく動かし、朝食の準備。農業バイトをするにあたって農家の方から支給されたお米を炊飯器にかけます。

 

今回は白米だけでなく玄米も支給されたので、あんまり一人ではやれない白米と玄米のブレンドご飯。茶色と白のコントラストが良い感じです。

 

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ごはんを炊いている間もボケーっとテーブルに座って窓からの景色を眺めます。

 

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窓を開けた状態でテーブルの席に座っていると、緩やかに時間が流れていくのを感じます。年寄りみたいですが、地味にこの時間が好きなのです。テレビもラジオもない山村なので、とにかく時間が有り余ります。自由な時間ってこんなにあったんだと思うほど。

 

そんなこんなで朝飯を済ませ、顔を洗い髭を剃っていると、いよいよ出勤の時間です。私の農作業担当の方が迎えに来てくださいます。

 

そんな農作業中の昼ごはんはウェイパー(味覇)おにぎり。食材を買いに行くスーパーが徒歩1時間圏内に無いので、「どうにかして中華が食べたい」と考えた私が適当に作ったおにぎりです。ウェイパー+塩+ラー油で作った簡単おにぎりの割りには、かなりの力作だと自負しています。

 

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ただ、そんな昼飯を見かねてか、私が農作業に行っている農園の社長さんが「けいちゃんを食べさせてあげようか?」と言ってくださいました。遠慮という言葉を母の胎内に置いてきた私はもちろん一も二も無く首を縦に振りました。

 

“けい(鶏)ちゃん焼き or けいちゃん”とは岐阜県の郷土料理で、鶏肉をタレに浸けこんで焼く料理のことです。けいちゃんは鶏肉を使っていますが、他にも“とん(豚)ちゃん”“ぎゅう(牛)ちゃん”などのバリエーションがあり、こちらはホルモンを漬け込んだものを指すようです。

 

そんなけいちゃんに勢いよく釣られた私を見て社長さん、突然どこかに電話をかけ始め「今からけいちゃんを持ってきて。バイトの子に食べさせるから。あと、ついでにキャベツなんかも買ってきたって」と言われました。どうやらお相手は社員さんのよう。

 

なんと、そこまでしていただけるとは感謝感激アメフラシです。これで私の貧相な食生活も改善される目途がたちました。というか、このためだけにわざわざ農園まで食品を持ってきてくださる社員さんに申し訳なく思いつつも、心から感謝です。

 

なんでも、社長さんの会社のグループでは「奥美濃の里」という名前で食品の販売もされている部門があるのだとか。どうやら、そちらからお肉などを持ってきていただけるよう。そしてしばらく待っていると、届けられたのがこちら。

 

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ぎゅうちゃん×1、とんちゃん×2、もやし×2、キャベツ×1のラインナップ。けいちゃんはどうも品切れだったようで、とんちゃんを2つ持ってきてくださいました。

 

これで私の田舎滞在中の食糧事情は解決!

 

……と思ったら、その晩「ペンションで歓迎会も兼ねて飲み会を開くぞ!」と管理人さんからお声が。致し方なく! 本当に致し方なく! 私は社長さんからいただいた“とんちゃん”や“ぎゅうちゃん”をつまみとして差し出しました。

 

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上がとんちゃん焼きで、下がぎゅうちゃん焼きです。それぞれ食べてみましたが、とんちゃん焼きはコリコリとした食感や弾力のある食感を楽しめる食感が楽しい料理で、ぎゅうちゃん焼きはプリプリとした食感にトロリとしたコラーゲンが美味しい料理でした。

 

個人的には、特にぎゅうちゃん焼きがとても大好きでした。トロリとしたコラーゲンと少し濃いめの郡上ミソが良い塩梅で絡まっていて、ビールがぐいぐい進むお味でしたね。キャベツのシャキシャキ感とも相性が良いです。

 

知人に聞いてみたところ、岐阜方面でもけいちゃんはよく見るそうで、飲み会では必ず見るぐらいポピュラーなものらしいですが、ぎゅうちゃんは珍しいらしく食べてみたいと言われていたので、興味のある方はぜひ試してみてはいかがでしょうか。

 

 

こんなに美味しいものを一人占めせずに皆で食べられて良かったね!飲み会万歳!

 

……うん、まあ皮肉ではないですよ。もともとは他人様のご厚意でいただいた食事ですしね。いただいた厚意は他の人にも分けてあげるのが人情ってもんです。それにおつまみのお返しにタダでビールも飲めましたしね。

 

でも、ぎゅうちゃん焼きは正直独り占めしたいぐらい美味しかったので、少しだけ惜しいと思ったのは内緒です。