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劇団員とは?劇団員になるには?元役者に聞いた劇団員のリアルな「食えない」生活

その他

劇団員とは、「舞台や映画などに出演し、登場人物の役柄を演じる仕事」だとされています。私の知り合いに元劇団員がおり、劇団員時代の話を聞いてみたところ、とても興味深い話を語ってくれました。

 

ブログに載せてもいいか聞いてみると、OKとのことだったので、その時の話をインタビュー形式でご紹介します。特にオチやヤマなどがあるわけではありませんが、「劇団員ってこんな感じなんだなぁ」とイメージする材料になればいいなと思います。

 

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劇団にプロやアマチュアはあるんですか?

 プロとアマチュアの明確な違いがあるわけではありません。ですが、一番の違いをあげるなら「どれだけの人を呼べるか」「どれだけチケットをさばけるか」が大きな違いだと思います。演技の上手い下手よりよっぽど大きな要素です。

 絶対的な目安はありませんが、1講演で100人を呼べたらそれなりにすごいと思います。100人と聞いたらあまりすごいようには聞こえないかもしれませんが、普通は頑張っても30人、「ちょっと人が多いね」というレベルでも50人程度です。

 ただ、1講演で100人を呼べるレベルの劇団だと、オーディションなどがあるため「よっぽど人員不足」といった状態などでなければ、初心者が入れるようなことはないでしょう。

 ですので、初心者は小さな劇団からスタートしたほうが入りやすいと思います。

 

劇団に入るにはどうしたらいいんですか?

 劇団のオーディションに応募するのが一般的です。オーディションとはいえ、大手の劇団でもなければオーディションの時期が決まっているわけではありません。

 たいていは、劇団関係者の横のつながりで劇団を紹介してもらい、そこで個別にオーディションをしてもらいます。ときどき、ネットなどで募集していると思うので、つてや人脈がない方はそういった所を利用することになると思います。

 

劇団に入るための知識や技術はありますか?

 劇団によって演技を見たりいろいろな審査基準はありますが、もし初心者を募集しているのであれば、基本的には演技の指導などは入団してからになります。

 ですので、演技力などよりは最低減、台本が読めるぐらいの国語の知識が必要です。漢字検定2級ぐらいの漢字が読めると大丈夫かと思います。「台本を読める」というのがある意味スタートラインと言っていいでしょう。

 

劇団に入るための学校や養成所はありますか?

 必ずしも学校や養成所に入学している必要はありませんが、学校や養成所はたくさんあります。有名どころでいえば、「代々木学園」「日本ナレーション研究所(日ナレ)」などがあるでしょう。学歴になるものもあれば、そうでないものもあります。

 学校や養成所に入るメリットは、いくつかあります。一つは、卒業すると、付属のプロダクションに入りやすくなります。たとえば日ナレだと「アーツビジョン」や「アイムエンタープライズ」といった大手のプロダクションなどがその例です。

 ただ、必ずしも学校や養成所に通う必要はなく、気にいった劇団で勉強していくのも一つの手です。

 

劇団員はどうやって生活しているの?

 劇団員ってどうやって暮らしているのかあまりイメージが湧かないかもしれません。

 超大手の劇団だと固定給で給料をもらいながら仕事をしている人もいます。加えて、チケットノルマを超えて販売したぶんのチケット売り上げは歩合制で給料に加算されます。詳しくはわかりませんが、大手だと月収も50万はくだらないのではないでしょうか。また、「1ステージにつき○万円」といったふうに収入を得ている人もおり、1日でかなりの額を得られる劇団員もいます。

 ただ、予想通りかもしれませんが、ほとんどの人はそんな生活はしていません。

 まず、大手以外では固定給など無いと思います。そして、歩合制の給料に関しても、チケットノルマを捌くので精いっぱい、どころかチケットをさばき切れずに借金している人もいます。ですので、劇団からの収入はなく、バイトで暮らしているというのが一般的な劇団員の収入でしょう。

 

劇団の稽古は何をどのぐらいやるの?

 大手はともかく、小さい劇団だと3か月前ぐらいにキャストが選ばれはじめ、台本が渡され、稽古がスタートするのが一般的だと思います。

 稽古では、一番最初に台本の読み合わせ(台本を口に出してみんなで読む)をします。そこから配役が振られ、各個人で練習をしたり、シーンごとで稽古を行ったりします。これがだいたい2か月間ぐらいです。

 残り1か月は舞台や大道具、小道具などの準備を行います。もちろん、その間も稽古は続いています。あまり上手くいっていないところや、途中で差し変わったシーンの練習などを行います。通し練習などもこの間で行われます。

 ちなみに、チケットをさばき始めるのは、半年前からです。つまり、どんなキャストが出るか決まっていない時点で「これをやります!」と宣言してチケットを販売し始めるわけです。ただ、チケットだけ販売して舞台をやらないということはないと思います。よっぽど主役の人が本番前に失踪したり事故にあったりといったことがなければ、何がなんでも実行するかと思います。

 このように、劇団員は3か月刻みのスケジュールで動くことが多いので、穴が空いたからといって他の劇団員に声をかけても動けないなどといったことも普通です。ですので、脇役が抜けた程度であれば、少しシナリオを変えて実行することが多いかもしれません。

 

一般的な劇団員の食生活について

 そんな劇団員なので、食生活はとても貧相です。いろいろな劇団員のエピソードを簡単にご紹介します。

 

  1. 小麦粉と水だけで暮らしている人
  2. 食パンの耳をパン屋さんにもらいに行く人
  3. コンビニの廃棄で食べつなぐ人
  4. スーパーの捨てられるはずだった切れ端の野菜をもらってくる
  5. スーパーの試食で食いつなぐ人
  6. 飲食店でバイトしている人は賄いで食いつなげる
  7. カップラーメンの麺を食べた翌日に、残ったスープにもやしを入れて空腹をごまかす

 

 こんな感じで、貧相な食生活事情に触れていけば、きりがありません。そんな貧相な状況なので、劇団員の仲間同士でのサポートが必須です。お互いにお互いの生活をサポートして生きていかなければいけません。

 

劇団に所属していて一番きつかったことは?

 劇団に所属していて一番きつかったことは、舞台に少ししか出られないようなチョイ役でも、チケットノルマを課されることです。「これこれのシーンに出てください」というオファーをもらって、ワンシーンしか出ないような状況でも数十枚のチケットノルマを課されます。

 チケットノルマを達成できないと赤字になり、直接生活に影響があります。ですので、チケットノルマの交渉は必須と言ってもいいかもしれません。入団して最初は自信もないし、言われるがままになってしまい、チケットノルマで赤字を抱え、挫折していく人がかなり多くいます。チケットノルマの交渉はとても重要です。

 

劇団に所属していて楽しかったことは?

 楽しかったことは、いろいろな役を演じられることと、お客さんの反応がダイレクトに感じられることです。特に、お客さんの反応がリアルタイムで得られるのが一番楽しかったです。笑いを狙って演じたシーンでお客さんが笑ってくれると、とても楽しくなります。

 逆に言えば、それしか楽しかったことはなかったです。あとは辛いことしかなかったです。ですが、お客さんの反応を間近で見られるというのはとても貴重な体験だったと思います。

 

最後に

今回の記事は、「個人の」「役者をやめてしまった」劇団員に聞いたインタビュー結果を記したものです。すべての役者にあてはまるわけでは決してありませんし、裏方の方、最初から大手でやっていた方の意見はまた異なると思います。

 

あくまで一つの事例程度に読んでいただければ幸いです。