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フリーランスや経営者になるなら大学を卒業することをおすすめします ―学歴はそこそこの武器である―

いま現在、日本のフリーランス人口は増えているとの話があります。

 

ランサーズの調査では、「2015年に比べて2016年は労働人口の17%もフリーランスが増えた」との報告もあるぐらいです。

 

 

そんななか、フリーランスや個人事業主として働く人のなかには、こういったことを言う方たちもいらっしゃいます。

 

「大学を中退してフリーランスになる」

「個人事業主や経営者になるのに学歴なんて関係ない」

 

もっと極端な例でいえば、 ホリエモンなどは「大学に行くこと自体がムダ」「東大以外の大学なんて行く価値がない」とまで発言しています。

 

それでは、フリーランスや個人事業主、経営者として働くのに、本当に学歴はムダなものなのでしょうか。わたしは「そんなことはない」と考えています。

 

そこで私の経験をもとに、フリーランスや個人事業主として働くうえで大卒、あるいは大学在籍という学歴がいかにメリットを持つのかをご紹介します。

 

学歴は賃貸物件の審査で有利に働く

フリーランスや個人事業主として開業するとき、重要なのが事業を行う事務所や実店舗の確保。

 

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もちろん、ネットショップサイト運営やアフィリエイト、ホームページ作成代行業など、一部事務所や店舗がなくても開始できる事業はありますが、多くの開業といえば、事務所や店舗は必須です。

 

最近では、SOHO(自宅兼事務所)、バーチャルオフィスにレンタルオフィスといった選択肢も増えてきましたが、やっぱり事務所や店舗に完全に入れ替わることはありません

 

そんな事業用物件を借りるときですが、たいていは審査が必要になります。

 

その審査は大きく分けて2段階。1つは、保証協会など、資本金や事業の安定性、保証人の収入などが審査されるもの。もう1つは大家さんや管理会社に「信用できる人か」を判断される審査です。

 

この「信用できる人か」というのが厄介なもので、もちろん収入や事業の内容も見られるのですが、やっぱりキャラクターなど個人のプロフィールも重視されます。

 

こういうときに、学歴という武器は働きます。

 

わたしも何度か事業用物件を借りてきましたが、やはり「(学部は違いますが)名古屋大学の大学院を出ています」というと、大家さんや管理会社のリアクションが変わってきます。名古屋では名古屋大学ブランドがよく効きます。

 

特に、事業を始めたてのころは審査の面で、この学歴ブランドに何度か助けてもらいました。

 

実際に、管理会社さんが大家さんに「名大の学生さんだった方なんで真面目でいい方ですよ」と電話で伝えていたのも耳にしたことがあります。*1

 

それ自体で審査結果がどうこうなるわけではありませんが、管理会社や大家さんの印象が良くなれば家賃交渉、保証金の交渉などのしやすさもまったく変わってくるので、一つでも自分の印象をよくできる要素があるのはメリットだといえるでしょう。

 

学歴によって事業報酬が変わることも

また、講師業や公的機関とかかわる仕事をしようと考えている方には、学歴はもっとダイレクトに働きます。民間企業ではそんなことはありませんが、大学や専門学校、公的機関の業務では学歴の審査もあるからです。

 

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実際、いま私の会社では専門学校と大学の2校で講師を担当していますが、どちらも面接が免除になったり給与が増えたりと、学歴で大きな影響がありました。大卒のスタッフと高卒のスタッフでは給与が違うのです。*2

 

もちろん、講師としてスカウトされるには学歴よりも職業能力や専門的なスキルのほうが重視されることは間違いありません。「年齢が上がれば学歴なんて関係ないよ。専門スキルのほうが大事だよ」という言葉もまったくのウソではないのです。

 

研究職でもないのに、職能がない人を雇おうとは思いませんからね。

 

ですが、一方でそのあとの面接や報酬を決める段階になると、学歴は確かに大きな影響を持ちます。少なくとも、講師として働きたい人、公的機関とかかわりながら仕事をしたい人は、大学は卒業しておくことをおすすめします。

 

大学を中退しなくとも起業はできる

また、事業をやっていると、「大学を卒業すると4年間がムダになるので、中退して今から起業します!」という学生からの相談もあったりします。

 

私は、基本的に「やめたほうがいい。せめて中退ではなく休学にしておいたほうがいい」と言うようにしています。

 

もちろん、休学をするには年間数万円の事務手数料がかかりますが、交通機関の学割に学生向け物件が借りやすくなったり、学生向けクレジットカードが作れたりetc……と、休学であれば学生ならではのメリットを十分に活かすことができます。

 

フリーランスにとって交通費が安くできたり、資金繰りをイジることができるクレジットカードが作りやすいのは大きなメリットです。

 

休学であれば、最大8年間は大学に在籍できるので、開業した結果が失敗か成功かを判断する程度の時間は十分にあります。それから大学に戻っても遅くはありません。

 

「フリーランスで年間数万~数十万円の手数料を払うのは厳しいんじゃ……」と思うようであれば、その事業は失敗なのでやめたほうがいいです。

 

そして、もっと言うなら、休学もせずに大学に通いながら起業するのは社会人起業に比べてメリットがたくさんあります。

 

たとえば、資金面のこと。地域によっては、学生向けの補助金や助成金を出しているエリア、企業もあります。

 

たとえば、人材や環境面のこと。私の知り合いには在学中に大学教授を巻き込んで、データを集め、公共機関や観光業者に観光プランを販売するNPOを立ち上げた人もいます。

 

ほかにも、大学生向けのフリーペーパーを作り学内で配布したり、学生カフェを作って大学に働きかけて補助金をもらったりetc……と、大学生ならではの起業スタイルだってたくさんあるのです(※すべて法人です)。

 

大学生には大学生にしかできない起業スタイルがあります。

 

「中退して4年間をムダにせず、今すぐ起業する」

 

こういった考え方が間違いとはいいませんが、せっかくの学歴というブランドをもう少し活かしてみてもいいのではないかなと思います。

 

高学歴はひとつの武器である

最後に、付け加えておくなら、決して中卒・高卒や大学中退フリーランスがうまくいかないわけではありません。

 

実際に、学歴とは関係なく、ある程度の成果を残している人はたくさんいます

 

親の実績や資金力、見た目の良さにキャラクター、年齢の若さに職業能力etc……。自分に、「すでに武器が備わっている」と思うなら、学歴なんてなくても十分フリーランスや個人事業主、経営者としてやっていけるでしょう。

 

ですが、こういった「他人より勝っている部分」がないのであれば、学歴はきちんと武器として働いてくれます。学歴は就職活動のツールのように見られますが、フリーランスにとっても学歴は無関係ではありません

 

あれほど、「大学に行くのはムダだ」とうたっているホリエモンでさえ、最初にメディアに出たころどころか、今でもまだ「東大入学」「東大中退」とプロフィール欄に書かれることがほとんどです。

 

大学を中退するのもいいでしょう。中学や高校を出てフリーランスになるのもいいと思います。

 

ですが、もしも自分にさしあたってのカードがないと思うのであれば、学歴を身に着けるのもひとつの手段です。世の中、学歴ひとつでオールオッケーなんてことはありませんが、学歴ひとつでひっくり返せるナニカがあることも事実ですしね。

 

*1:学歴で人柄なんてわからないんですけどね

*2:すべての学校や公的機関で学歴によって給与が違うわけではありませんのでご注意を。